以前、聞き手の1人として環境対策に関する企業向けのコンサルサービスのプレゼンを受けていたときのお話です。
その時のプレゼンターは、2酸化炭素の削減やその工夫について述べていました。そして、データを基にした自社の環境対策コンサルの効果と有効性についても熱く語っていました。まっ、ここまでは良くある普通のプレゼンテーションです。
しかし、聞いているとかなりな専門用語を連呼していました。例えば「カーボンオフセット」です。プレゼン中に用語の説明がなかったので、後から詳しく調べてみると、「経済活動(企業や一般家庭)などによって排出された二酸化炭素などを、森林の保護(植林など)、その他のクリーンエネルギー事業によって「他の場所」吸収しようとする考え方」で、要するに±ゼロにすると言うことのようです。
感覚的に類推することは可能なのですが、一般的でない言葉であることは明確です。しかし、話し手は聞き手が知っていて当然のように連呼し話しを進めていました。これでは、プレゼン終了後の成約なんて有り得ません。
当然、1つの言葉を理解してもらえないと言うことは、その言葉を説明した内容についても理解してもらえません。これを繰り返せば、全体を理解できないことに繋がります。これが最も怖い部分です。
そして、理解できない部分が多くなれば、聞き手のモチベーションは下がります。この悪循環を止めることは出来ません。専門的な知識を持っている方が陥りやすい失敗です。先ずは、専門用語なのか一般的なのかの区別をすることから始めることが大切です。