目次
ワタミ 日本プレゼンテーション研究所 

プレゼンテーション研究所

ワタミ 渡邊会長

左 渡邊会長
右 当研究所長 田川


ワタミ株式会社の渡邉 美樹会長をご紹介します。


感銘を受けた書籍
「論語」
数千年の歴史が明かす、人間の本質にふれることができ、読み返すたびに新たな発見があります。

感銘を受けた映画
「アルマゲドン」
大勢の幸せのために、自らを犠牲にする勇気に感動しました。


ワタミ(東証1部:7522)の渡邉美樹会長は、大学2年生のときに、日本一周、4年生で北半球一周を成し遂げている。
 学生時代から起業意欲に満ちていて、何を志し、何のために起業するのかを探すための旅であったとのこと。

 そしてこの旅で、とある光景を目の当たりにし、その決意を固めた。その光景とは、気の合う仲間や好きな人と食事をしているとき、人々の笑顔は最高に輝き、その輝きは万国共通であったこと。

 「笑顔の溢れる場面をひとつでも多く提供する」この原点は、ここにあったようだ。続けて、経営への思いを伺った。

 「目指すところは、地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになることです」

 更に具体的に聞いた。「お客さまのことを思って行動し、お客さまの喜びを自分の喜びとできる、そして“ありがとう”という言葉をいただくことに最大の価値を見出し、努力することです」

 次に、社員教育についても聞いた。「社員教育に関しましては、理念の共有につきますね。企業として事業を営むからには、利益も大切です。しかし、それ以前に同じ志のもと事業に取り組まなければ企業としての存在意義が揺らぎます。加えて、事業を通じお客さまに喜んでもらうことなどできるはずがありません」

 確かに、理念の適正な理解とその共有は事業の継続には大切だが、経営規模の拡大に伴って、末端への浸透は難しくなる。この点について聞いた。

 「入社希望者に対する会社説明会にて、私の考え、そして会社の理念をしっかりと説明し、その理解を徹底します。その時に、やはり人間ですから、理念に共感できない者もいます。
 その時点できっぱりと理念を共有できない者に対しては、入社について考え直してもらっています。最初に、こうした施策を講じているので、入社後に考え方の極端な相違が生じることはありません」

 最後に社長とは、について伺った。

 「社長とは、株主様、お客さま、社員等の幸せの総和を最大にするための者だと考えています。どれが1番であるとかではなく、調和のとれた総和を大切にしています」

 ワタミは、居酒屋大手で、居食屋「和民」などを国内外において、直営を主軸に展開しており、介護事業にも取り組んでいる。
 その他にも「開発途上国の子どもたちに教育環境と教育機会の提供すること」を目的とするNPO法人「スクール・エイド・ジャパン」や環境改善の取り組みとして「森づくり」を行うNPO法人「Return to Forest Life」を積極的かつ継続的に支援している。

 不況だからこそ、事業を通じ“笑顔”や“ありがとう”をつくり出す努力が必要であり貴重なのかもしれない。最後に、景気も「気」からとした、渡邉会長の何気ない一言が印象に残った。


戻る

日本プレゼンテーション研究所

copyright j-pl.net