● 2010/04/19 パワーポイントのアニメーション効果は、どの程度有効なのでしょうか?
(埼玉県創業・ベンチャー支援センター セミナー受講生からの質問)
パワーポイントはプレゼンテーションを行う上でとても便利なアプリケーションです。特に、スライドを用いたプレゼンテーションを準備を含めて、効果的に実施するためには、必須のツールとなっています。
しかし、目的や活用方法を誤ると、大変危険なツールとなります。パワーポイントの危険性に関しましては「誰も教えてくれないプレゼンテーションの真実」で詳しく述べていますのでそちらをご参照下さい。
さて、パワーーポイントのアニメーションですが、そのモーションとも相まって、聞き手の目を引き付ける効果があります。これに関しては、殆どの方が認識されていると思います。
まず、その効果の有効性の前に注意しておかなければならないことがあります。
● 聞き手に配布する資料(レジュメ)との整合です。
通常の場合、アニメーションを設定すると、プリントアウトの際、アニメーション後の体裁が出力されます。これに頓着せずに、安易に配布資料の準備をすると、アニメーション効果が重なってしまったり、肝心なものが隠されてしまったりと、様々なトラブルが生じます。
従いまして、アニメーションを設定する際は、配布資料の体裁までも考えての活用が大切です。これを怠ると、強調したいがためのアニメーションであるにも関わらず、逆効果(理解し難い)プレゼンとなります。
さて、アニメーションの効果そのものに関しましては、正直なところ「殆ど効果なし」と言えます。
正確には、「費やした時間に値する対価は望めない」と言えます。
もともとアニメーションに関しては、インターネットがナローバンドであった時代の産物(構想)です。モニター上で動きのある画像を見せると、それなりに効果がありました。要するに、動きのあるPC画面が珍しかった時代背景があって、それなりの注目も期待できました。
しかし、現在ではどうでしょうか? 各メディアも整備され、フラッシュ等も多様化され、モーション(画像の動き)に関しては何ら珍しいものではありません。
ただ、アプリケーションの性能としては、バージョンがアップされる毎に機能も充実しなければなりませんので、アニメーション自体の性能もアップします。
ところが一定レベルに達すれば、その次は、全て動画にすれば良いのであって、静止画によるプレゼンテーションにおいて、アニメーション効果が期待できる範囲は既に超えています。
つまり、度を過ぎたアニメーションは逆効果であり、それ以上を狙うのであれば、動画として切り分けた方が、聞き手に対しては違和感がなく、集中力が持続します。
結論としましては、現状におけるアニメーション効果については、プレゼンテーションの結果を左右するような効果は全く無いと考えて下さい。
もし、使うのならば効果を意図したことではなく、単なるアクセントととしての活用を心がけてください。
少なくとも、その設定に時間を費やす意義は殆どありませんので、準備時間に余裕があるときのみ、とした程度で考えていた方が無難です。