パワーポイントをプレゼンテーションの準備段階で、ヘビーユーズしている人の殆どに、この逆転現象は生起します。
どんな現象かと申しますと、ストーリーを補うためのスライドではなく、スライドによるストーリー展開となってしまう現象です。
繰り返しとなりますが、プレゼンテーションにおいて人を動かすのは、スライドではありません、ストーリーです。しかも、整理された言葉によるストーリー展開でなければなりません。
つまり、人を動かすための骨格となるプレゼンテーションストーリーを確立し、その要所における説明をスライドで行い、ストーリー全体を締めます。プレゼンテーションを成功させるためには、こうした展開の工夫により、聞き手の集中力と理解力がピークとなるタイミングを作為し、そのピークとなった時に、言いたいことを言い抜くのがポイントです。
しかし、スライドを、ストーリーの展開に無頓着な状態で、必要以上に作りこんでしまうと、そのスライド毎にピークを作為する状態となります。
一見すると、これは実に分りやすいプレゼンテーションなのですが、ピークがたくさんあるため、聞き手からしてみれば無意識のうちに、動き出すための切っ掛けを絞り込めない状態に陥ってしまいます。
もし、聞き手がこのような状態になってしまったら、結論で何を言おうが、動きません。つまり、良く分かっただけのプレゼンテーションとは、このような状況のプレゼンです。
次回も引き続き「ストーリー展開」についてお話いたします。